時を刻む砂、その最後の一粒が、煌きながら落ちてゆく。
砂が落ちきれば、また天地が返されて、同じ長さの時が同じように過ぎていく。
それは、ある種の安寧であり、揺るぎのない秩序でもある。
しかし我々は間々、それが乱れ、止まるような体験があることを知っている。
あるいは、古びた砂が輝きを取り戻す瞬間があることを知っている。
その音は微かだが、煌めきに目を開いた者には、轟として響くのだ