中陰の地、冥界。
死者の生前の行いを審判するものを冥界では「王」と呼び
9名の執行者達はその役目を担っていた。
その王達を支えるのは鬼と呼ばれる種族の中でも、各々秀でた才を持つ者たちだった。
彼らは「秘書」としてその命を盟約の儀により王に捧げ、不老となり王を支えた。
そんな彼らと同じような枠組みの中にいながら
どこか違う二人がいた。
名を奪衣婆(だつえば)。そして懸衣爺(けんえおう)といった。
彼女たちは死者の裁判を始める前、死神たちが導いてきた際
初めて渡る「三途の川(さんずのかわ)」で
死者の衣服をはかりその行いを見る役割を担っている。
役は様々な事情で代替わりがある。
懸衣爺はすでに三代目。そしてその役目を担うことになったのは
青年というには幼い顔立ちの少年だった。
「自分の役目」それだけを糧に生きる少年に
衣(ころも)と呼ばれている少女の容姿をした女は言う。
彼女が語る「王」というもの。そしてそれを支える「秘書」というもの。
彼らが彩る世界は「役目」だけに囚われた世界なのだろうか?
漫画パートでは「王と秘書」の悩みや日常を。
CDパートでは「王」の葛藤や、苦しみを。
――――彩られた世界はどんな色をしているだろう?