「“思い出せば遠く、忘れたいほど近く…――――”」
ナナカマドに少しだけ雪が積もり始め 時々、雪は溶けた。
枯葉が舞った。ぶるっと震えるその風は、冬を告げた。
秋が終わり、空気は凛と張り詰めて
かすかに膨張した淡い空気が世界を包んだ。
思い出せば遠く、忘れたいほど近く記憶は
巡るたびにかえってくるようで
そんな思いも空っ風に吹かれて
一緒に季節はまた新たな景色へと塗り変わっていく。
通り過ぎゆく秋の情景とともに、
冬の淡い空まで辿りつけるように、言葉を拾うように
唄うように奏でました。
隙間風がそっと心に染みわたる、